サムシンエルス展のご報告

雨が続きようやく日中は和らぎ、残暑はひと休みですね。
近くの日本平の丘は、いろとりどりの秋の野の花が
咲き始めています。

サムシンエルス展は1ヶ月半に及ぶ展示会でしたが、
無事に好評のうちに終了しました。
その経過をご報告したく、ご案内申し上げます。

 

「蝉たちよ 洗足池に なきひびく
わがサムシンに 熱きエールか」
期間中、早朝に近くの洗足池の散歩を楽しみました。
都内にもいろいろな蝉がいるんですね。
最終日(8/26)は、なんと椎の木にカナカナと
なく「ひぐらし」が…。小さな秋の訪れの発見でした。

 

高名な美術評論家に(思いがけないこと)に
お会いできお話ししました。
「円空の世界に通じるものがある」
身に余るご感想をいただきました。今後の
制作の励みを受けとめています。

 

ミニマルアートのギャラリーとして知られているオーナーが
椅子「セイホウケイノユメニ」をお買い求めいただきました。
うれしさはひとしお身にしみています。
長年、女子美術大学とリビングデザインセンターOZONEで
椅子づくりの理論と実践をすすめてきました。最小限の部材と
つくりやすさの究極的な椅子としてテキストに使用したものです。

 

ほぼ1ヶ月半のサムシンエルスは移ろひの光と影に包まれて倖せでした。
期間中にこのステキな空間をデザイン設計された建築家にお会いしました。
「例えば1階から2階と2階から3階の階段の巾は違う…」
なるほど奥行きを感じさせる空間構成になっています。
コンセプトからディティールに至るまで、
ちょうど京都の町家造りの伝統と思想を活かしているのではないかと
後からふと思いました。一度確認してお聴きしたいですね。

 

ギャラリーオーナーの佐藤春喜さんのご好意で
期間中の金、土、日曜はギャラリー空間の別室に宿泊しました。
就寝前と早朝は3階の中庭に佇んでいました。
禅の庭は「自然から学ぶためにある」まさに私はそのことを
実感しながら至福の時を過ごしました。
能舞台と見立てた作品のテン、セン、メンから世阿弥の世界を感じて
いただけたでしょうか。
8/13の夜は偶然にも金星が月に消える天体ショーがありました。

 

ギャラリーコレクションと私のサムシンエルスのコラボレーションは
好評でした。これは佐藤さんの企画・構成です。
時代を超えてピッタリと共鳴していましたね。
とりわけ若い女性からよくいわれました。驚いています。
サムシンエルスの究極は古今無双だよと佐藤さんから聴こえたように感じました。

 

仏像は古来、心を鎮め勇気を与える力があるといいます。
期間中、ギャラリーコレクションの仏像を毎日のように
顔を合わせる度に、心惹かれていきました。
私の花入れと響きあっていましたね。この仏像のように時空間を
超えて作品を制作していきたいと…大きな力をいだだきました。

 

まさにニューヨークからの激震のジャズライブでした。
佐藤さんから前衛的なフリーミュージックですがと、
企画当初からいわれ、ミスマッチではと不安でした。
しかし当日になって、力強い大自然の息吹きのように感じほっとしました。
ペットボトル人間のトリオさん、ありがとう!

 


オープニングレセプションとフィナーレと2度もステキなダンシング
を魅せていただきました。私のテーマに合わせた「ムエノクニを散歩
する」はサムシンエルスのエッセンスを上手に描きだしていただき
とても嬉しかったですね。
期間中、何度も打ち合わせやリハーサルがあり、じわじわとこちらに
心が伝わってきました。さらに私の工房や清水の浜辺まで来てくだ
さってイメージをあたためていました。
奥田純子さん、すごい!ありがとう!

 

サムシンエルスの「白き素」は大自然からの貴い贈りものです。
森から海へ、永い時を経て、浜辺に漂流した無数の木片の中には
新玉の言葉が潜んでいることがあります。それはイメージを
ふくらませてくれる物語だったり、未来を占う予言だったりして……
私にとって無限のタカラモノなのです。
「白き素」に大自然のエネルギーを感じていただいたでしょうか。
声高ではありませんが、環境保全としての指標を表現していきたい
なと天と地を眺めながら想い続けています。 居海想森

 

「夏の果て 有終の美と なりにけり
        わがエルス展 涼しかりけむ」 正明笑